相談を受けて、私が把握できる限りのその問題についての考えがまとまった後で、ヒントを返すべきか答えを返すべきか、について悩むことがあります。
ヒントを返して、相手が私に話し切れていない問題の細部にまでそれをたよりに踏み込んで、自分の答えを出してくれるのがベストといえばベストです。ですが、人に相談をするということは、自分の思考に自信がなくなっている状態でもあるのだろうから、こちらからひとつの答えを出されて、それを自分の問題の細部にまで持ち込んだ具体的なイメージをして、そうするそうしない、どちらでもないモア・ベターな自分の答えを出す、という方へ行きやすくしたほうがいいかもしれないのです。
ですが、答えを返してもらうと、その答えの通りにしなかったときに答えをくれた人に会いづらくなってしまうことってありますし、ヒントしか返してもらえないと、ちゃんと考えて答えてくれていない、つまり、真剣に相談に乗ってくれていない、と思ってしまうこともあります。
また、この頃よく思うのは、人に相談をする目的というのは、より適切な道を探すことではなくて、通常の自分と違ってしまった自分を落ち着けることなのかもしれない、ということです。
ヒントか答えか云々、相手が進むべきは云々、それによって相手の気持ちがどうなるか云々、なんていうのは、相談を聞く自分の被る影響のことばかりを考えたことで、ただ、相談している人の気持ちを落ち着けることだけを考えるべきなのかもな、などとも思うわけです。
というわけで、相談を聞くときには、その内容の事実関係を正確に把握することだけでなくて、それによってその人の心がどのように変化をしているのか、を把握することが大事なのかもしれない、と思うようにもなってきています。
私を弁護士のようなものとして相談してきているわけではないのだろうから、心を中心に話ができる自分であらねばいかんな、と。