2008/07/28

映画が好きなの♪

「仕事が忙しくなると映画をたくさん観ちゃうんですよね。」と、つい「なるほど、かくも芸術家の感性は自由を欲するのか。」と関心してしまうけれども、周りの人にしてみれば泣きそうになる発言を平気でカマす、ロックとテクノのどちらからも神と崇められている偉い日本人のおじいちゃんがいる。

そんなおじいちゃんの言葉に触発されたワケではないが、この頃バイオリズムが良いのか、「これは良さそうだな。」と思ったDVDを借りると見事大当たりであることが多いので、皆さんのなんらかの参考にもなるかと思い、最近観た映画たちについて、今日は書いてみようと思う。

『日本以外全部沈没』
『日本沈没』という小説と映画が大ヒットしたときに、筒井康隆が5分で思いついたという小説の映画化作品。タイトル通りの内容で、日本以外の陸地がすべて沈んでしまい、なんとか日本にやってきた外国人たちを、日本人がいぢめ抜くという、痛快な悪趣味に満ちた作品。とどのつまり「女たちは犯され、老人と子供は燃やされた、若者は奴隷に、逆らうものは一人残らず皮を剥がされた。」ということなのだが、それが無駄に性的だったり暴力的だったりする描写無しに描かれているところが上品で良いと思った。

『エディット・ピアフ ~愛の讃歌~』
フランスの偉大なシャンソン歌手、エディット・ピアフの伝記映画。私は美輪明宏による舞台を観ていたので、流れについていけて楽しめたが、ピアフの生涯を知らない人は、あらかじめざっとピアフの生涯を調べてから観た方が良いと思う。伝記なので、展開が早いといえば早いからだ。主演の演技、マルセルとの話を長くひっぱりメインに置いたストーリー構成、さりげなく出てくるコクトーといった粋な演出、すべて良いと思う。また、観ながらふと思ったのは、モナちゃんはキャスターとしてはダメだけれども人間としてはやはり愛すべき人間だよな、ということだった。

『屋根裏の散歩者』
宮崎ますみが出ているバージョンを以前観たことがあったが、今回観たのは日活の石橋蓮司が出ているバージョン。『人間椅子』のモチーフが流用されていたり、クライマックスが関東大震災でうやむやになったりと、構成が上手いと思った。やたらと過激な性描写があるわけではないのだが、今では絶対に作れないだろうな、と思わせられる演出がたくさんあり、「なんで昔のものは面白いのか?」ということを「今も残ってるってことはそれなりのものだからで、昔も駄作はたくさんあった。」という理由に逃げずに再考したくなった。

『スウィーニー・トッド』
妻と子を奪われた復讐のために殺人理容師となった主人公と、その死体の肉をミートパイにして儲ける未亡人のお話。コンピューター処理でなく、衣装やメイクで白黒のような色調にしたという映像や、最後まで観た後でまた観ると意味が分かって面白いオープニングが素晴らしい。お話も良く出来ていて、洋の東西を問わず、悲劇の基本は「復讐に人生を費やしてしまった人間がその虚しさに気付き破滅すること。」にあることが再認識できた。1/4ぐらいの時点で、結末のカギになる人物の正体を察知できたことが個人的には嬉しかった。あと、ジョニー・デップは文句無しにカッコいい。モテるのを許可します。

『でんきくらげ』
渥美マリ主演の大映映画。体を武器にのし上がってゆく女の物語、と言えばそこまでなのだが、「うん、そういうところではそれが人間として自然なセリフだよね。」と思えるセリフの積み重ねで出来ているので、とても清々しく観れた。そして、私は安達哲の『お天気お姉さん』という漫画が、棺桶に入れてもらいたいほど好きなのだが、これに通じる何かがあるとも思った。この「何か」を未熟ながらも今の自分の力で言葉にしてみるならば、「この世の醜さと自分の才覚をすべて受け入れた上で自分の人生を全うするための強靭な精神の在り方で、コンプレックスとは違うもの。」といったところだろうか。

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