2007/12/04

木根さんはギターマガジンに出たことが無いらしいです。

行ってまいりました、日本武道館でのTM Network。

語りたいことの本質にもつながるので、いきなりサポートメンバーを紹介しておくと、ドラムがそうる透(いろいろやってるけど、僕の知る最高の仕事はCOMPLEXの解散コンサート。)、ベースが吉田健(こちらもいろいろやっていますが、僕の知る最高の仕事は80年代のジュリーのバックバンド。)、ギターは北島健二(Fence Of Defenceってバンドをずっとやっていましたが、僕の知る最高の仕事は初期TMのサポート。)でした。で、まぁ、メンバーは私あらかじめ知ってはいて、「おお!このメンバーなら究極のTMが出来るかもしれない!」なんて思っていたのですが、、、ダメでした!

とどのつまりね、タイム感が全然合ってない。そうるさんも吉田さんもタメすぎ。打ち込みに合わせて人間が弾いてカッコ良さが出る時って、ほぼ100%、人間のリズムがちょっと遅れていることによって、カッコ良さが出るんですね。当然勉強熱心なプロフェッショナルなお二人としては、そういうのを意識して演奏したんでしょうが、それが完全に裏目に出てしまっていました。

TMってのは人間の演奏がつんのめっていて、それが良くも悪くもポピュラリティにつながっているんです(逆に言うと大人は聴かない音楽になっちゃってる。)。だから、サポートメンバーもつんのめり気味かジャストの演奏をしないと、TMのメンバーの演奏に合わないんですね。超ミクロな時間の話をすると、TMのメンバー→(1/100秒遅れで)打ち込みと北島健二→(また1/100秒遅れで)そうる透と吉田健、っていう状態で音が出ていて、それがとっても気持ち悪かった。。。宇都宮隆が、ミュージカルとかいろんなことをやって小知恵をつけたのか、時々後ろ気味で歌ったりもするもんだから、ますますもって混乱。。。てな状態でした。

で、ツアーを回っていれば、そうるさんも吉田さんも百戦錬磨だから、こうなっていることに気付いて、演奏を修正できたと思うんです。だけど、今回は単発ライヴではないけれども短いツアーだったみたいで、そこまで演奏がこなれていないまま今日のファイナルに至ってしまったみたいなんですね。。。だから、なんていうか、すっごく残念。。。

だから逆に言うと、全体がタメる曲では、うまい具合にいっている曲がありました。『Telephone Line』と『Be Together』がそうでしたね。『Telephone Line』の演奏はホントに素晴らしかった!アルバムでは青山純が叩いていた究極のタイミングとニュアンスのタムのフィルインを完璧にコピーしていて、この時にこの人の勉強熱心さと凄まじいテクニシャンぶりにゾクっとしましたよ。『Be Together』はテンポ早いように思うんだけど、実はメトロノーム的には遅くて、倍でノる曲なので、いい具合のタメ具合が、スピード感のコントロールとして完璧に機能していました(アルバムでは確かレベッカの小田原豊だったはず。)。間奏にあるタムの叩きまくりを、あの基本パターンをキープしながらやれるなんて、ホントにそうる透は凄いと思いました。で、これらの2曲はアルバムではシンセベースですが、これはホントはエレキベースがいいんだけど、意地で小室哲哉がシンセベースでやっている感じだったのを吉田健が感じ取り、生でやるフレーズに完璧に置き換えていて、いやー、キャリアのある本物のミュージシャンって凄えー、って思いましたですよ。

選曲や並びも良かったですが、うーん、、、やっぱり音楽って「ノリ」が命だなぁ、と思ってしまったわけです。ベースも打ち込みでやっていれば、そうる透のタメ具合もいい具合に活かせたかもなぁ、とも。

かといって「行って損した!」と思っているかというと、全然そんなことはありません。選曲も良かったし、小室哲哉までMCしていたし、それに対等な立場で返答して「自分はあくまでも自分」っていうスタンスをキープしていた宇都宮隆には、「ああ、、、この人は一人前の男になったんだなぁ。。。」と感動しましたし、木根尚登のアコギのソロは、予想してはいましたがかなり達者で、更にサビなんかにおけるハモリの上手さといったら感動的なほどでした。小室哲哉はハモンドオルガン、NORDLEAD、V-SYNTH、メロトロン(本物かどうかは確認できず)、ピアノ、あと2台ぐらいのシンセ、をうまい具合に使いこなしていて、なかなか気の効いたフレーズも弾いていました(ちょっと予習が甘かったんだろうな、という危ない音も出していましたがね。)。

でもねー、なんていうか、ヘンに「今風」な音にせずにちゃんとアルバムの音を再現していた今回のライヴ、良かったは良かったですが、そういう風にやるならば、「俺達って実はけっこう凄いことしてたんだぜ」っていう曲もセレクトして、現在のシーンへの解答、みたいなこともやってほしかったというのが、僕の思いです。

あほみたいに具体的に言うと、『Rainbow Rainbow』と『Passenger』と『KISS YOU』を、「これは当時のままのアレンジなんですよ」という顔でガッツリと現代にぶつけて欲しかった。これらを続けてやるセクションがどこかにあれば、きっと関係者席とかに数人はいたであろう若手の取材陣達に、「へぇ、TMってちゃんとグルーヴってものを意識してたんだ。ヒット曲云々じゃなく80'sの音楽としても紹介できるなぁ。」という印象を与えられたと思うのです。ここらへんならば、そうるさんも吉田さんもタメを活かした凄まじくカッコいい演奏をしてくれたと思うし。

そのセクションの後で『1974』とか『Wild Heaven』とか『Don't Let Me Cry』とかをやって、そんでもって『Self Control』や『GetWild』といったヒットナンバーをどかすかとやっていれば、説得力も倍増だったと思うんですよねぇ。。。そして最後の最後を『Fool On The Planet』か『Electric Prophet』でシメていれば、ファンは号泣、若手にもちゃんとしたメッセージを残せる、という、いい仕事になっていたのになぁ。。。とか。

このことが返す返すも残念でなりません。このままじゃあ永遠に固定ファンのためだけのバンドのままだし、ロック史における評価っていうのも低いままだろうなぁ。。。

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