荒井由美の『卒業写真』という名曲があります。
この曲のテーマは、自分がぐらついているときに、かつて好きだった人が、自分が好きだった部分を持ったまま今も生きていることを知って、それだけでとても幸せな気分になれた、ということだと僕は思っています。
「それで自分はどうするのか?」というところまで踏み込んでいないところが、あまり好きではなかったのですが、歌というのは、ひとつの想いをひとつの歌で歌い切ればそれでよく、歌手というのはいろいろな想いを歌うことで(音楽家がいろいろな曲を作ったり演奏したり、と言い換えてもいいです)、意味がいろいろ出て来て、それによる効果を楽しむのがコンサートやアルバムというものだ(例えば『卒業写真』の後に『DESTINY』が来たり、『14番目の月』がきたり、『No Side』が来たり、なんていうコンサートの流れを想像するだけでドキドキしてしまいます。)、と今は思っているので、今では100%好きな曲です。
ちょっと今日言いたい本旨を外れましたが、P-MODELのリーダーであり、ソロアーティストでもある平沢進さんが作った『パプリカ』という映画のサウンドトラックを今日聴いていて、『卒業写真』で歌われている気持ちだと僕が思っている気持ちににどっぷりとはまってしまいました。
「これはまさに平沢さんだなぁ、、、平沢さんそのものの曲が存在していていい場所が見つかったんだなぁ、、、」と、とても幸せな気分になれたのです。
平沢さんの音楽というのは、言葉で説明しづらいため、なかなか表舞台には出てきにくいのですが、このサウンドトラックは、「特殊な世界を描いた映画のサウンドトラック」として成立しているために、特殊でありつつもすんなりと聴ける、という立ち位置を獲得できています。
よかったなぁ、ほんとによかった、と思うのです。
